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この記事は 2020年08月02日 に以下のカテゴリに投稿されました くるま.

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日本初!SDG’sの時代を走り抜く、急速充電可能な未来型EVジムニーをZEVEXが公開。

新型のジムニーが走っている姿を最近良く見るようになったよね。

カタチも良いと思うし、いろいろなサイズも用意されているみたい。

あの幅(等で)ロングサイズは出ないのかぁ?

こちらは、少し前のジムニーを、なんと EV に改造して、走っているというレポート。

随分と前から様々な試行をしているようだけれど、安全基準などをクリアするのは、大変みたい。

日本初!SDG’sの時代を走り抜く、急速充電可能な未来型EVジムニーをZEVEXが公開。
本格的なオフロードを走行可能な四駆EVに、街の急速充電器を使って充電可能なマシンが誕生しました。4WD電気自動車による南極点到達を目指す「ゼベックス(本部:京都市)」が開発したEVジムニーです。
自動車環境問題NGO「ZEVEX」

自動車環境問題NGO「ZEVEX~ゼベックス(本部:京都市)」が、年初より川崎市のチームピットで製作を続けていた、街の急速充電器(チャデモ規格)を使って充電可能なクロカン専用4x4EVのカスタム作業が、去る7月12日に完了し動画を公開しました。

SUVとは一線を画する、深い積雪路を含む本格的なオフロードを走行可能な電気自動車は、そもそも日本では未発売なので、急速充電器を使って充電できるクロカン四駆EVは、現存最古のEVジムニーでもある、この「SJ2001」号が日本初、ということになります。

ZEVEXは、別途製作したEVジムニーで、結氷した間宮海峡(ロシア)を走った実績も持つ、4WD電気自動車冒険チームでもありますが、次の冒険の目標として、世界初のゼロエミッションEV四駆による南極点到達を目指しています。
今回、20年前から使い続けているこのEVジムニーを、急速充電器対応にカスタムできたことによって、南極点アタックメンバーの訓練や、公募する予定の追加参加メンバーの選抜を、より効率的に実施することができるようになった、と開発の理由を説明しています。

■SJ2001号の誕生とアップデート
1997年に活動を開始した「ZEVEX~ゼベックス(本部:京都市)」は、悪路を走る四輪駆動車の環境問題を考え、行動を続けるNGOです。20年前になりますが、ZEVEXは川崎市に有るチームのカスタムガレージで、仲間達と1台のスズキジムニーを電気自動車に改造し、車検も取得しました。1999年から2000年にかけてのことです。このEVジムニーが、仲間達に「SJ2001」号と呼ばれている現存最古のEVジムニーで、今回悪路専用の電気自動車としては日本で初めて、街の急速充電器(チャデモ規格の急速充電器)からの充電を実現した車両になります。当NGOが調べた限りでは、世界の市販EVの中にも、同様の性能を持つ車両は存在しませんでしたので、当NGO調べでは「世界初」にもなります。

◇CHAdeMO充電器から初めて急速充電を成功させた時の動画

◇J1772規格の200V普通充電器からの充電を成功させた時の動画

2020年7月12日18時58分クロカン四駆の電気自動車が、日本で初めてチャデモ急速充電器からの充電に成功した瞬間です。

2020年7月12日18時58分クロカン四駆の電気自動車が、日本で初めてチャデモ急速充電器からの充電に成功した瞬間です。

■車両スペック
SJ2001号は、古い時代の電気自動車では一般的だった、直流直巻モーターを搭載しています。昨今の主流となっている交流モーターとは違い、回生ブレーキは使えませんが、その分、超強力な低速トルクを発揮するモーターで、極悪路の走破には向いているモーターと言えます。
バッテリーは古いモデルのリチウムイオンから、今回の改造に合わせて、日産LEAFのリチウムイオンに交換しました。総電力量は、LEAFの中古バッテリーを40モジュール積んでいるので20kWhになります。どちらも同じNEC製ですが、システム電圧はそれまでの300Vから170Vへほぼ半減しました。これは、市販後1年程度の実績しか無いBMS(バッテリーマネジメントシステム)で、一番多く使われていたのが170V仕様だったので、システムの安定性を最大限優先させる意味で、我々のマシンもこのBMSを使うに当たって、同じ仕様に合わせた為です。
まだ完成したばかりで、実走テストが充分ではありませんが、過去20年間蓄積した走行データに基づいて判断すると、満充電からの走行距離は130~140kmで、街の急速充電器に30分繋げば、更に約100km走行可能になると計算しています。
悪路走破の部分に関しては、8000ポンド引きのウインチを、車両の前だけでなく後ろにも装備しています。大径タイヤに対応したリーフスプリングやシャックルも全て公認で、6点式ロールバーの各所に牽引ポイントを増設して、スタックからの脱出作業に備えた構造をしています。

ベース車両:昭和56年製スズキジムニーSJ30 全長:319cm 全幅:139cm 全高:173cm
車両重量:1010kg 燃料の種類:電気 定格出力:18.6kw 乗車定員:2人

登録は軽自動車のままです。 (車検証より)

■改造費用
今回の改造費用に関しては「何とも言えない」というのが正直なところです。その理由は、SJ2001号が車検を取得した20年前と今とを比べると、衝突安全やバッテリーの安全認証に関する法規制が比較にならない程厳しくなっているので、今後新たに現在の法規制に沿った設計で、同程度の性能を持つEVジムニーを製作しようと思っても、それが可能か?不可能か?さえ判断できないからです。

我々の場合は、20年前から公道で使い続けているコンバートEVを、街の急速充電器が使えるようにBMSを追加して、周辺のシステムをアップデートしただけ(それまでは、家庭用の単相100/200Vコンセントで充電していた)ですので、全く事情が異なります。唯一言える内容としては、車検は取得せず私有地のみで走らせる前提で改造した場合でも、車両代金や工賃とは別に200万円ぐらいは必要だ、ということ程度です。

■過去20年間のSJ2001号の充電実績
この20年間、SJ2001号は様々な電源からの充電を実践して来ました。2000年に車検を取り、2001年には「トンボ・ダートアタック」というJAF公認のダート競技に出場しました。この当時は当然ながら、家庭用の単相100/200Vコンセントからのみの充電でした。
別の充電方法にトライしたのは2002年12月のことです。車両を真冬の北海道に持ち込み、オフロードコースを拠点に小型風車6基で発電した電力を充電して、周辺の公道を舞台に、雪の中で野営を続けつつ約10日間テスト走行を行いました。更にその勢いを駆って、2003年秋には京都から東京まで、東海道を風車とソーラーパネルで発電した電気だけを充電しての走破に挑戦しました。この時も野営をしつつ約1ヶ月間旅を続けましたが、結果としては三重県伊勢市までの150kmを走行した時点で時間切れとなり、現在も中断中です。

その後、このSJ2001号は発電機と充電器を車載してプラグインハイブリッド仕様にされ、2007年の5月から2009年の5月にかけての3年間で、1週間から10日間程度の切れ切れの日程を繋いで、北海道の宗谷岬から鹿児島県の佐多岬まで、名目燃費50km/Lを維持しつつ列島縦断を達成し、プラグインハイブリッドの魁となりました。

2009年以降、SJ2001号は再びピュアEVに戻されて、家庭用単相100/200Vコンセントからの充電を中心に運用されて来ましたが、同年の三菱i-MiEVの市販開始以降整備が進められた、チャデモの急速充電からの充電はできないままでした。
ところが、昨年、このチャデモ規格の急速充電器からの充電を可能にするBMS(バッテリーマネジメントシステム)が市販されたことで、コンバートEVには夢だったチャデモ規格の急速充電器を使う手段が誕生し、今回SJ2001号をアップデートするに至りました。

2009年5月29日名目燃費リッター50kmを維持しつつ、本州最南端の鹿児島県佐多岬にゴールする「PHEV日本列島縦断の旅」のSJ2001号プラグインハイブリッド仕様。

2009年5月29日名目燃費リッター50kmを維持しつつ、本州最南端の鹿児島県佐多岬にゴールする「PHEV日本列島縦断の旅」のSJ2001号プラグインハイブリッド仕様。

■南極点アタックの件(カスタムの目的)
今回SJ2001号をチャデモ(CHAdeMO規格)の急速充電器対応仕様にアップデートした理由には、もちろん日常の使い勝手を向上させたかったことも有りますが、主な理由は他に有ります。
ZEVEXは2005年にチーム製作のEVジムニー2号機を、厳冬期のロシア・サハリン島に運び、ユーラシア大陸側まで氷結した間宮海峡上を、小型風車とソーラーパネルで発電した電力のみで走行した冒険実績を持ちます。よく登山家や冒険家が「とって良いのは写真だけ、残して良いのは足跡だけ」と言いますが、ZEVEXはこの時の冒険を「轍さえ残さない冒険」と呼んでいます。凍った間宮海峡は春には溶けて海に戻りますから、電気自動車が通った轍も溶けて消えることを意味します。
SDG’sという言葉など無かった15年も前から、ZEVEXは「持続可能な開発目標」を意識した冒険活動を考え、体現を続けて来ました。

2005年2月間宮海峡の樺太(サハリン)側の村「ポギビ」に到着し、小型風車とソーラーパネルからEVジムニ-2号機「ARK-1」号に充電する。

2005年2月間宮海峡の樺太(サハリン)側の村「ポギビ」に到着し、小型風車とソーラーパネルからEVジムニ-2号機「ARK-1」号に充電する。

氷結した間宮海峡上をドライブする、この冒険のアタックメンバー、姫路のジムニーショップ「オフロードサービスタニグチ」の谷口社長。

氷結した間宮海峡上をドライブする、この冒険のアタックメンバー、姫路のジムニーショップ「オフロードサービスタニグチ」の谷口社長。

氷の割れ目に右二輪を落し、間宮海峡上でレスキュー作業を展開するアタックチーム。背景にかすかに見えているのは、ユーラシア大陸の東海岸。

氷の割れ目に右二輪を落し、間宮海峡上でレスキュー作業を展開するアタックチーム。背景にかすかに見えているのは、ユーラシア大陸の東海岸。

上記の如く、4WD電気自動車冒険チームとしての側面も持つZEVEXには、1997年の設立当初から大きな冒険の目標が有りました。「四輪駆動のEVに,ゼロエミッションの電力だけを使って南極点に到達しよう」という冒険です。この冒険テーマは、ここ数年で世界の冒険家の間で人気のテーマとなりつつあり、2018~19年のシーズンには、遂にオランダチームがソーラーカーで初めてスタートを切りました。残念ながら、彼らはスタートから僅かな距離で動けなくなり失敗に終わりましたが、お陰で「世界初」は残されました。つまり、今ならば、成功すれば、「世界初」の称号が得られる冒険だ、ということです。
ZEVEXは、この冒険に使用する南極仕様の4WD電気自動車を既に完成させており、チリのプンタアレナスから、南極大陸に有る「ユニオングレーシャー」という民間基地まで輸送機を飛ばしている会社との交渉を始めています。

南極大陸でも走行可能なスペックで製作した、チームのEVジムニー3号機「ARK-2」号。冒険本番では、これにトレーラーを曳く計画。

南極大陸でも走行可能なスペックで製作した、チームのEVジムニー3号機「ARK-2」号。冒険本番では、これにトレーラーを曳く計画。

◇南極仕様の4WD電気自動車「ARK-2」号のオフロード走行動画。

残念ながら、飛行機会社との交渉は難航しており、今すぐに南極点アタックに挑戦できる状況ではありませんが、マシンなどのハード面の更なる改良を日々進めると同時に、ソフト面であるアタック隊員の準備も進めなければなりません。
チーム内では、既に数名のアタックメンバー候補の選抜は済んでおりますが、「できれば外部の有能な人材にもこの冒険に加わってもらいたい」との想いも有り、もう少し企画が具体化した段階で、外部に向けて参加者の公募をしたいと考えています。
上記アタック隊の訓練や公募者からのセレクションは、例えば冬季の北海道を舞台に、1000km2000kmというまとまった距離を、実際に車両を走らせながら行うのが一番効率的であり人物の資質も見えますので、その為にも、公道を走れるSJ2001号を急速充電器からも充電できるように改良する必要が有ったのです。
これが、今回現存最古のEVジムニーを急速充電対応にカスタムしようと考えた、主な理由になります。

■ジムニー50周年のこと
狙った訳ではありませんが、奇しくも今年はスズキ自動車がジムニーの販売を開始してから、50年の周年記念の年に当ります。ZEVEXは、この20年間で3台のEVジムニーを手造りし、2台のEVジムニーを維持・保管し、現在は計5台のEVジムニーを運用しています。

応援して頂けるスポンサーはほとんど無く、基本的には仲間達の小遣いを集めて活動を続けている、無名の市民団体に過ぎないのですが、ジムニー販売開始50年のこの記念年に、ジムニーの次の50年~それは、間違い無くSDG’sが求められる50年になるわけですが~に繋がるEVジムニーを世に送り出せたことを小さな誇りに思います。
今回完成させた急速充電が可能なEVジムニーをどんんどん走らせて、ガソリンジムニーと遜色無く使えることを広く社会に示し、それがSDG’sの時代を走り抜く、次の50年のジムニー誕生に繋がれば、ジムニー好きな集団であるZEVEXとしては望外の喜びです。

■関連画像

SJ2001号全景前より。リーフとボディーリフトで計2インチ半ほど車高を上げているので、タイヤも大径を履く。現在は7.00-16インチ、外径は約750mm。

SJ2001号全景前より。リーフとボディーリフトで計2インチ半ほど車高を上げているので、タイヤも大径を履く。現在は7.00-16インチ、外径は約750mm。

SJ2001号全景後ろから。リアのバンパーは特注品で、250kg積みのトレーラーを牽引可能。

SJ2001号全景後ろから。リアのバンパーは特注品で、250kg積みのトレーラーを牽引可能。

SJ2001号全景横。ドアは無くても法規上の問題は無い。シートベルトを流用したベルトがドアの替わりで、これが有れば車検は通る。

SJ2001号全景横。ドアは無くても法規上の問題は無い。シートベルトを流用したベルトがドアの替わりで、これが有れば車検は通る。

フロントには8000ポンド引きのウインチを搭載する。

フロントには8000ポンド引きのウインチを搭載する。

本格オフロード専用の4WD電気自動車なので、フロントのみならず、車体後部にも8000ポンド引きのウインチを装備する。

本格オフロード専用の4WD電気自動車なので、フロントのみならず、車体後部にも8000ポンド引きのウインチを装備する。

極力雨がかからない場所を探して、急速充電用の給電口は、ロールバーにステーを溶接して取り付けた。給電口後部の配線には、農業用ホースを流用した防水対策が施してある。

極力雨がかからない場所を探して、急速充電用の給電口は、ロールバーにステーを溶接して取り付けた。給電口後部の配線には、農業用ホースを流用した防水対策が施してある。

配線図と照らし合わせ、テスターで確認しながら、必要なダイオードをハーネスに取り付けて行く。

配線図と照らし合わせ、テスターで確認しながら、必要なダイオードをハーネスに取り付けて行く。

分割されたハーネスはハンダで留めて、収縮チューブを被せて固定して行く。

分割されたハーネスはハンダで留めて、収縮チューブを被せて固定して行く。

組みあがったメインハーネス全景。この他に200V充電系のハーネスが存在する。これを車体に取り付けて行く。

組みあがったメインハーネス全景。この他に200V充電系のハーネスが存在する。これを車体に取り付けて行く。

バッテリー廻りにバスバーとセンサー線を取り付けて行く。高電圧なので、EVの作業の中で一番危険性の高い作業と言える。ゴーグルと手袋は必着。(絶縁手袋は、この時は作業性が悪く使えなかった)

バッテリー廻りにバスバーとセンサー線を取り付けて行く。高電圧なので、EVの作業の中で一番危険性の高い作業と言える。ゴーグルと手袋は必着。(絶縁手袋は、この時は作業性が悪く使えなかった)

運転席横に取り付けたBMSのモニターに、マイクロSDカードが入っていて、運用中の各種データが記録される。

運転席横に取り付けたBMSのモニターに、マイクロSDカードが入っていて、運用中の各種データが記録される。

より詳細な車両データは、ウインドウズPCでBMSと直接通信することによって解析できる。バッテリーモジュールの不良なども一発でわかる。

より詳細な車両データは、ウインドウズPCでBMSと直接通信することによって解析できる。バッテリーモジュールの不良なども一発でわかる。

SJ2001号全景。街中よりも、こういう風景が良く似合う電気自動車である。

SJ2001号全景。街中よりも、こういう風景が良く似合う電気自動車である。

ガソリンジムニーと一緒に、オフロードを走行するSJ2001号。(2014年9月撮影)

ガソリンジムニーと一緒に、オフロードを走行するSJ2001号。(2014年9月撮影)

以上

しかしまぁ、改造して、EV で走ることができるようにするその費用が 200万円ほどとは驚いた。

随分とかかるものなのだねぇ。

これではコンバージョンなんて、なかなか出来ないよなぁ。

でも、すごく魅力的ではある。


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