あてにならなものってたくさんあるけれど、その1つが今まで行われてきた自動車の燃費表記。
挙句の果てにいくつかの会社はこれを偽装して・・どうせあてにならないからあんまり重要視していない人も多いのだろうけれど、偽りのデータを堂々と書いて車を販売するとはね。
困ったことです。
今までは 10 / 15 モード燃費から始まって、いまは JO08 モードという基準評価することになっている。
2社がこの測定方法に違反していて、大騒ぎとなっているわけなのだが、なんとこの規格、日本独自のもので世界では全く通用しないのですって。(知らなかった!)
どうやら国土交通省にも批判殺到のようで、やっと少しはまともになるのかな?
でも、こういったベンチマークの結果って、いくら細かくその測定環境などを決めても、わからないところで少しでも表記する燃費を良くしようとするわけでして・・・
思い出しちゃうことがあるのだけれど、コンピュータの能力を示す値も正直言って、昔はやりたい放題だった。
とあるベンチマークプログラムだけが早くなるようなプリプロセッサを使ったり、コンパイラを使ったりとね。
実際こんな専用の環境をアプリケーションの開発に使うことはありえないことなのに、その結果を出すんだからね。たまったものではない。
OEM 販売などで製品を出していると、その OEM 先がちゃんと検査していてさ。
こんな値でないんだけど・・と聞かれて調べてみればこのありさま。
やっている方もやんなるんだよな。
まぁ今となっては、当時のマシンは今のスマートフォンよりも劣る性能しかなかったと思うけど。
あぁ・・大きくわきみちにそれてしまったのですが、本題の新しく導入される燃費表記について、ざっくりと下記に説明します。
まずは今の JO08 モードのというものについて、箇条書き。
と、まぁこれだけでも実走行時にはありえないだろうと思う規格です。
これってよく考えると、おそらくは低燃費と謳っている車ほど、JO08 モードで測定した燃費と、実走行時の燃費は大きく違ってくるだろうなぁということは容易に想像できますね。
まぁ大体はこのことは皆わかっていて、あんまりあてにはしていないだろうと思うのだけれど、面白いのはおかげさまで、このところはみんなで助け合いましょうみたいな感じで、実走行時の燃費をみんなで記録するサービス(サイト)まで存在していて繁盛している始末。
現状はこんなところであるわけです。
さて、新しく国土交通省が導入する燃費測定の規格は、WLTP (Worldwide harmonized Light-duty Test Procedure) という国際連合欧州委員会というところが主導して作成した規格を元にしている。
異なる部分は高速時の速度の部分ということなのだけれど、欧州には速度無制限のアウトバーンも存在するしなぁと思っていたが、社会実験として時速120キロで高速道路を・・という実験も行われていたはずなのだけれど、なぜ速度を落とす必要があったのかはよくわからない。
そのままでもよかったんじゃぁないかなぁと思うけれど?
以下が国土交通省の発表資料です。
この図の上に3枚グラフが並んでいるけれど、これはわかりやすいですね。
要するに日本で今使われている JO08 モードで燃費を測定すると、車が動いていない状態であることが多いことがわかりますね。
WLTP は、車速を4段階に分け、低速~超高速までとしていて、日本ではこの超高速の試験は行わないとのこと。
結局のところ、おそらくは、
のような3段階での試験内容となるみこみだそうです。
また、車の重量による測定も厳しくなり、こちらは同乗者がいる場合の燃費につい配慮されたものとなっていて、これだけでもおそらくは、今表記している燃費よりも全体的に悪くなるのだろうといわれています。
このことが報道されて、日本で行われている自動車の燃費表記について、それが日本独自のものだということすら知らなかったけれど、少しはまともな数値、信頼できるものとなることが最重要だし、国際的にも認められるということになるのでしょうね。
PC やスマートフォンは、だんだんとそうなってきているよ。
同じバイナリーで測定した数値が、すぐに測定できるようになってきているからね。