アウトドア用品で特にガスを使う機器についての注意喚起 – 製品評価技術基盤機構
NITE 製品評価技術基盤機構が公表している、アウトドアでの製品利用時に発生した事故等のデータを紹介します。
もう少し(時期的に)早く書けばよかった思っているのですが、気がつくのが遅くてすみません。
あまり楽しい話ではないのですが、キャンプや BBQ などで利用する機器による怪我などのデータをまとめたものが製品評価技術基盤機構から公表されています。
これは、製品評価技術基盤機構が把握して、状況を調べたと思われる事だけをまとめたと思われるので、実際にはもっと沢山の大なり小なりの怪我があると思ったほうが良いように思います。
夏休みを迎え、家族や友達同士でバーベキューやキャンプなど、アウトドアでのレジャーを楽しむ機会が増える季節です。
アウトドアではカートリッジガスこんろやレジャー用折りたたみいす・テーブル等がよく使用されますが、これらの製品は取扱いを誤ると大きなけがや事故に至る場合があります。
NITE(ナイト)に通知された製品事故情報※1において、アウトドアでのレジャーで使用される製品による事故※ 2は平成21年度~平成25年度までの5年間に合計34件※ 3ありました。このうち20件(58.9%)が7~9月に発生しています。
表 主な被害状況(事故件数(被害人数))
被害状況を見ると、「重傷」が7件「軽傷」が13件発生しており、人的被害の発生割合が高くなっています。
■ 主な事故事例
- カートリッジガスこんろやガスカートリッジの部品が劣化、破損、固定の緩みが生じていたため、ガス漏れが生じて引火した
… 部品が劣化、破損、固定が緩んだ状態やガスカートリッジを完全に装着できない状態で使用すると、ガス漏れが生じて引火するおそれがあります。 - ガスカートリッジが加熱されたため、内圧が上昇してガス漏れが生じ、引火した
… ガスカートリッジが放射熱(輻射熱)や周囲の熱源等によって加熱されると、内圧が上昇し て破裂するおそれがあります。 - 折りたたみいすの座面が日光等によって脆化していたため、座った際に座面が破れて転倒した
… 座面の生地が脆化した状況で使用を続けると、使用時の荷重が加わった際に生地が破断して、 転倒するおそれがあります。
[事故を防止するための主な注意事項]
- カートリッジガスこんろを使用する際は、部品に破損、劣化、固定の緩み等が無いか確認する
- ガスカートリッジはこんろに適切に装着した状態で使用する
- カートリッジガスこんろを2台以上並べて使用しない、また、大きな調理器具は使用しない
- 折りたたみいす等は、取扱説明書の指示に従い、屋外など直射日光が当たる場所で保管しない
夏本番を迎え、アウトドアでのレジャーを行う機会が増えるこの時期に、製品の正しい取扱方法 について知り、事故を未然に防止していただくため、今般、注意喚起を行うこととしました。
- (※1)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故 (ヒヤリハット情報(被害なし)を含む)。
- (※2)カートリッジガスこんろ、その他携帯用ガス機器(ランタン、バーナー等)、レジャー用折りたたみいす・テーブル、その他(テント、電池式ランタン等)による事故のうち、屋外での使用時に発生したものを対象とする。
カートリッジガスこんろのうち、一般にカセットこんろと称する卓上型のものに限定する場合に「カセットこんろ」と記述する。また、ガスカートリッジのうち、カセットこんろに接続するものに限定する場合に「カセットボンベ」と記述する。 - (※3)平成27年7月3日現在、重複、対象外情報を除いた事故発生件数。
- (※4)製品本体のみの被害にとどまらず、周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすこと。
- (※5)被害状況別で、人的被害と同時に物的被害が発生している場合は、人的被害の最も重篤な分類でカウントし、物的被害 には重複カウントしない。
NITE では、PDF による資料配布も行っていますので、是非ご覧になってください。
事故や怪我などなく、楽し見たいと思うのは、だれでも同じだと思います。
機器の使用方法を十分に理解して、正しく使用することが重要です。
ガスを利用する、コンロやバーナー、ランタンもそうですが、アウトドア用品は、その収納性を高めるために折りたたみ式の構造を持っているものが殆どで、それらの開け閉め(組み立て)時に指を挟んだりといった事故も、よくあることです。
ウキウキしちゃう気持ちはわかるのですが、そのあたりのことも理解を深め、落ち着いて作業を進めてください。
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